こんにちは。
有限会社ふくもりです。
車椅子を製作していく中で、単なるモノを販売するものではないということや学びの連続であることが身に沁みてきます。
今回は、姿勢が変わるとどうなるかという一例をお伝えしたいと思います。
皆さん「シーティング」という言葉を聞いたことがあると思います。
ひとつに「支えるべきところを支える」と言えるのではないかと思います。
今回は、自走型を使用するユーザー様の座面環境を変えてみました。
当初はウレタン性のクッションを使用しており、姿勢を改善したい、痛みを軽減したいというご相談がきっかけでした。
状態を確認すると、車いすの座シートやクッションはたわんでいて、足が内側に入り込む環境です。
身体が下がっている(落ちている)ので、手や腕が車輪に近く、漕ぎにくそうです。
目標は、臀部の保護と姿勢を改善し漕ぎやすくすること。
試した結果、臀部の保護は、アウルクッションというゲルとフォームをもとに作られたクッションに変更。
しっかりした座面環境を作るため、座板という5mmほどの板をクッションの底に忍ばせました。
ちなみにご本人様のご要望で、アウルの上にエアウィーブの素材を重ねます。
さて、結果はどうだったでしょうか。
大きな喜びの声と共に「漕ぎやすい!」とご本人様。
姿勢も良く、支えどころとなる土台が安定し、姿勢や動作環境を大きく変えた一瞬だったと感動しました。
こういった感動は、共に仕事をする我々の原動力となります。
良い姿勢を何時間もなんて難しいですが、良い状態を作り知ってもらうことは我々専門職の使命です。
障がいのある方の中には、自分で姿勢を変えられない方も多くいらっしゃいます。
たかが「座る」ことと思う人もいるかもしれませんが、障がいのある方にとっては「支える」という言葉に置き換わります。