①車椅子「座王」の調整

シーティングはそんなに難しいものではありません。
この車椅子は座王という車椅子で、骨盤サポートベルトと背中のベルトで体の形状にあった調整が可能です。
ただ、調整をしないで座るとbeforeのような状態になります。
体は倒れ、足もプレートに乗っていません。
今回は、左右のパッドの位置も調整しました。
座るならできるだけ良い姿勢で座っていただくのが良いと思います。
身体の中も外も、目線も、そして心も前向きになれる一歩かもしれません。

②ヘッズアップのデモ

以前、youtubeでも紹介したことのあるヘッズアップという枕のデモを行いました。
日常、頭のコントロールがうまくいかず、左右や後ろへ倒れて(後屈と言います)しまうケースを検討します。

そもそもこの「ヘッズアップ(ウィットマイヤー)」という製品は、以前に紹介したことのあるサンライズメディカルジャパンさんの「ジッピーアイリス」という車椅子に取付することが大半ですが…

日頃、用具やシーティングについて学び実践している幌延の施設職員さんからのご相談で、「座王(日進医療器」に取付できないかとのご相談からデモを準備致しました。準備後、別のケースでも相談があったので、先立ってデモを行わせて頂きました。

写真のように通常の枕ですと、頭の保持がうまくできていないようです。
しかし、ヘッズアップですと収まりが良く、安定していた様子でした。
「意外に良いね」という理学療法士さんの言葉が嬉しかったです。

このようなシーティング製品の多くは、補装具の制度で認められているものです。
そして最初から作るわけではないので、簡単にデモを行いケース検討ができるのは大きなメリットだなと感じた瞬間でした。

③座面環境の改善

今回は、自走型を使用するユーザー様の、座面環境を変えてみました。
当初はウレタン性のクッションを使用しており、姿勢を改善したい、痛みを軽減したいというご相談がきっかけでした。
状態を確認すると、車いすの座シートやクッションはたわんでいて、足が内側に入り込む環境です。
身体が下がっている(落ちている)ので、手や腕が車輪に近く、漕ぎにくそうです。

目標は、臀部の保護と姿勢を改善し漕ぎやすくすること。
試した結果、臀部の保護は、アウルクッションというゲルとフォームをもとに作られたクッションに変更。
しっかりした座面環境を作るため、座板という5mmほどの板をクッションの底に忍ばせました。
ちなみにご本人様のご要望で、アウルの上にエアウィーブの素材を重ねました。

その結果、大きな喜びの声と共に、「漕ぎやすい!」とご本人様。

姿勢も良く、支えどころとなる土台が安定し、姿勢や動作環境を大きく変えた一瞬だったと感動しました。

こういった感動は、共に仕事をする我々の原動力となります。

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